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#02 七五三のマナーとルール

【特集:七五三】#02

時代ごとに、意味合いややり方が変わってきた「七五三」ですが、現代においては、どのようなマナーや守るべき事柄があるのでしょうか? ふたりのお子さんのママでもあり、テレビなどでもおなじみのマナー研究家・住友淑恵さんに、正しいお作法をうかがいました。

Q.七五三はいつ行くべき?

A.「七五三は、2〜3歳の『髪置き』、5歳の『袴着』、7歳の『帯解き』が由来とされています。ただし、それぞれの節目に、男女どちらがお参りに行くかについては、地域差などもあって一概にはいえません。例えば、3歳は男女、5歳は男児、7歳は女児が参るというのが一般的ですが、3歳は女児のみ、7歳は男女ともに、など、地域により慣習が異なります」(住友さん)

詳細に関しては、ご両親や親族の方などに確認されるといいでしょう。大切なのは、節目に神様へご報告に行く、ということなのです。

Q.なぜ神社へ行くの?

A.「冠婚葬祭のうち、七五三のような成長の祝いは「冠」に相当します。そうした成長の祝いは、すべて神式で執り行います。自分たちが住んでいる土地の神様である『氏神』へ、ご報告に行くのが基本です。ただし、必ずしも氏神さまでなくても、例えば、ご夫婦の思い出の神社に行く、などでも問題ありません」(住友さん)

Q.11月15日に行くべき?

A.「その日が良い、とされている目安の日付ではありますが、現実的には11月15日前後はやはり混雑するため、お祓いや祈祷の予約がとれないことも。そのため、11月15日という日にはこだわらず、お仕事のご都合や、ご家族がそろうスケジュールに合わせ、日取りは柔軟に決めてください。神社の方に聞くと、最近では11月15日の前3週間ほどでお参りに行く方が増えているようですよ」(住友さん)

Q.お祓いはしてもらうべき?

A.「七五三は、神社へお参りし、千歳飴だけもらって帰る、という方も多いようです。ただ私は、お祓いもしてもらった方が良いと思います。そうやって神前でお子さんの成長を報告し、同時に、その先の成長も願ってあげてください」(住友さん)

Q.七五三へ行くメンバーは?

A.「神社でのお祓いは、お子さんだけでなく、家族みんなでしてもらいましょう。できれば、ママやパパだけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんなど、家族そろって出かけられた方がいいですね」(住友さん)

また、せっかく家族が集まる会なので、イベント感を強めた方がいいと住友さん。

「写真館で集合写真を撮られたり、食事会を開かれたりするのもいいでしょう。そうした節目に神様の前へ行くと、日頃イライラしている気持ちなどがリセットされます。気持ちを新たにできるので、生活にも張りが出るはずです」(住友さん)

Q.神社への初穂料(謝礼)は?

A.「金額について『お気持ちでお納めください』とする神社もありますが、最近では事前に教えてくれる神社もありますので、予約する際に聞くといいでしょう。相場はだいたい、5000円から1万円のようですが、神社によって異なります。昔の感覚だと、直接、神社に聞くのはどうなのだろう?……と躊躇しがちですが、分からなければ聞いた方がいいでしょう。神社の方々も快く教えてくれますよ」(住友さん)

Q.祝い着やママやパパが着るものにルールはある?

「お子さんだけでなく、ママやパパ、おじいちゃん、おばあちゃんといった同行される方は、フォーマルな格好が望ましいですね。ただし七五三は、お子さんがメインのイベント。そのためママは、格の高い訪問着で出かけられるのが良いでしょう。パパやおじいちゃん、おばあちゃんは、和装の場合、羽織袴を選ばれるといいと思います」(住友さん)

【教えてくれた人】
マナー研究家 住友淑恵さん(「マナ美」先生)

大学在籍中から、マナーの第一人者・酒井美意子先生に師事し、和洋の正統マナーを学ぶ。大手芸能プロダクションでの人材育成や、各種企業での研修、大学での講演など、活躍の幅は多彩。テレビ出演のほか、書籍・書籍の寄稿、監修、執筆も多数。令和時代におしゃれに楽しくエンターテイメントマナーを教えるマナー講師。近年は、日本のマナー評論家である故・酒井美意子先生の孫弟子で15年以上、数々の書籍などを監修してきた。そのマナー研究家「住友淑恵」さんが総合プロデュースするマナーパフォーマーとしての顔が「マナ美」先生。全国の学校や企業でマナーを簡単わかりやすく楽しく伝える「マナーショー」を実践。大切にしているメソッドは「マナーとは心の色表現」。
著書に「一生使える!冠婚葬祭マナー」(PHP出版)ほか、がある。

写真/PIXTA

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19.06.28
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