フォトギャラリー:更紗にハマろう
純和風なアイテムで固めると畏まった印象になりすぎて、普段使いしづらい……
そんな方にオススメなのが更紗。エキゾチックな雰囲気を持ち、洋装が当たり前、ビルが林立する現代日本に、逆にピッタリと馴染んでくれます。
「更紗(さらさ)」とは、近世以降に舶来した外国の模様染め布の日本語での総称です。発祥はインドとされますが、インドネシアやヨーロッパにも広まり、様々な「更紗」が日本にも渡ってきました。また、のちには日本でも作られるようになりました。
紺色に鮮やかな更紗文が映える訪問着。
全体の優しい色遣いが、花の鮮やかさを引き立てます。
舟と楼閣、唐草文様を更紗風のタッチで華やかに。
金彩と白地のコントラストに青の唐花が目を引くモダンな一枚。
京更紗の帝王・前田仁仙の作品。色とりどりの地色、優しい色の文様でエレガントに。
文様のエキゾチックさは健在ながら、敢えて模様の量と色を減らす、引き算の美学。
更紗文を織りで表現した名古屋帯。今らしいパステルな色遣い。
岡重らしさが詰まった染帯。色を抑えた文様と金彩が、穏やかながらに優美さを演出。
汕頭(すあとう)刺繍で古渡更紗文を表現したエキゾチックな一本。忍冬唐草や樹下双獣、ロータス文などの古典的な柄ながら、真新しさすら感じる。
バティック(インドネシア更紗)風の文様を青で織り出した、お洒落な名古屋帯。
更紗風の花文を白一色で表現したモダンな帯。葉などに別の幾何学文様を載せるのも更紗らしさを引き立てます。
おまけ:古い図案や裂
白木屋呉服店図案課 編『印度更紗模様』, 大正11. (国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/13336034])
モトカヅ文様研究部 編『割附ト更紗』下, 大正15. (国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/1182506])
文様と色がモダンでおしゃれ。大正期に作られた更紗風図案なので、アール・ヌーヴォーの影響も見られます。
大隅為三『古渡更紗』, 美術出版社, 1962. (国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/8799548])
忍冬唐草と花卉で縞を描いています。色のコントラストがお洒落。
大隅為三『古渡更紗』, 美術出版社, 1962. (国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/8799548])
色は更紗らしい鮮やかさですが、模様はきものとしてもクラシカルなものでまとまっています。小紋なんかになったら面白そうです。
大隅為三『古渡更紗』, 美術出版社, 1962. (国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/8799548])
大きいながら細部まで手の込んだ文様がとてもゴージャスです。
白木屋呉服店図案課 編『印度更紗模様』, 大正11. (国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/13336034])
大隅為三『古渡更紗』, 美術出版社, 1962. (国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/8799548])
アール・ヌーヴォーのようなモダンさを感じますが、17世紀インドで作られたもの。
『古渡更紗譜』(国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/3508070])より。
極彩色の唐花と鳥はもちろんのこと、背景の渦巻文様がユニークさを一層際立たせます。
大隅為三『古渡更紗』, 美術出版社, 1962. (国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/8799548])
竜が描かれているのですが、コミカルな絵柄がなんだか可愛らしいです。
モトカヅ文様研究部 編『割附ト更紗』下, 大正15. (国立国会図書館デジタルコレクション [https://dl.ndl.go.jp/pid/1182506])
大正の更紗風文様。抽象的なデザインがとてもモダンです。
25.12.05