着物で行きたい美術館〈東京・2025年秋〉
着物を着るのがより楽しくなる、着物で行くとより楽しめる。着物好きにオススメな、今秋東京の展覧会をピックアップしてご紹介します。
※ご紹介は展覧会の開催順です。
「芸術の秋」といいますし、魅力的な展覧会が盛りだくさんです。やっと涼しくなりましたので、きものを着てご覧になってはいかがでしょう。
郷さくら美術館:現代鳥獣戯画 展

郷さくら美術館は2012年、現代日本画の専門美術館として東京都中目黒に開館しました。昭和以降の生まれの現代日本画家の作品を1000点以上収蔵しています。
本展では「鳥獣戯画」の世界を再解釈した「現代鳥獣戯画」を中心に、動物たちの豊かな表情や動きを、伝統的な日本画の技法で描いた様々な動物画を展示。伝統と、躍動感や遊び心が融合した現代の日本画をお楽しみいただけます。


会期:
2025年9/9(火)~11/24(月)
開館時間:
10:00~17:00 ※入館は16:30まで
休館日:
月曜日 ※ただし9/15、10/13、11/3、11/24は開館、9/16、10/14、11/4(火)は振替休館
入場料:
一般 800円 など
会場:
郷さくら美術館
住所:
〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-7-13
TEL:
03-3496-1771
公式サイト:
https://www.satosakura.jp
サントリー美術館:幕末土佐の天才絵師 絵金

土佐の絵師・金蔵(きんぞう・1812〜76)は、地元高知では「絵金(えきん)さん」の愛称で長年親しまれてきました。絵金の屏風は、今なお夏祭りの間に神社や商店街の軒下に飾られます。歌舞伎や浄瑠璃のストーリーを極彩色で絵画化した彼の芝居絵屏風は、同時代の絵画のなかでも一段と異彩を放ちます。1966年に雑誌で特集されたことを契機に、絵金は小説・舞台・映画、展覧会などで一時ブームとなりました。しかし、彼の芝居絵屏風の多くが神社や自治会などに分蔵されており、まとめて観られる機会は滅多になく、東京の美術館では初の大規模展となります。

香南市赤岡町本町二区【通期展示】

高知県外では半世紀ぶりとなる本展は、あべのハルカス美術館(2023年)、鳥取県立博物館(2024年)へ巡回し、いよいよ東京での開催です。
会期:
2025年9月10日(水)~11月3日(月・祝)
開館時間:
10:00~18:00(金曜日は10:00~20:00)
※11月1日(土)、2日(日)は20時まで開館
※9月26日(金)、27日(土)は六本木アートナイトのため21時まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:
火曜日 ※9月23日、10月28日は18時まで開館
入場料:
一般 1,800円 など
会場:
サントリー美術館
住所:
〒107-8643 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
TEL:
03-3479-8600
公式サイト:
https://www.suntory.co.jp/sma
CREATIVE MUSEUM TOKYO:HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展

世界で最も有名な日本人アーティスト、「HOKUSAI」。世界的名画として名高い『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』を描いた北斎は、90 年の生涯で30,000点もの作品を残し、93回の引越し、30以上の画号を使い分けた自由奔放な生き様でも知られています。
本展は、『北斎漫画』1,700冊を所蔵する浦上蒼穹堂の全⾯協⼒のもと、300点を超える作品を展示。「集中線」「ギャグ描写」「アニメ原画」など、現代のマンガやアニメの表現の原点ともいえる作品に着目した展示で、200年の時を超えた“北斎のしわざ”を体感することができるでしょう。

会期:
2025年9月13日(土)~11月30日(日)
※会期中、一部作品の展示替えを行います。
開館時間:
10:00~18:00
※毎週金・土曜および祝前日は20:00まで開館。
※最終入場は閉館の30分前まで。
休館日:
会期中無休
※会期中9月13日(土)-15日(月・祝)および11月29日(土)・30日に限り日時指定予約制。
入場料:
一般 2,300円 など
会場:
CREATIVE MUSEUM TOKYO
住所:
〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6F
TEL:
050-5541-8600 (ハローダイヤル)
公式サイト:
https://hokusai2025.jp
上野の森美術館:正倉院 THE SHOW -感じる。いま、ここにある奇跡-

本展は、正倉院とその宝物の美を全身で楽しめる初の体感型展覧会です。宮内庁正倉院事務所監修のもと、宝物を360度からスキャンした高精細3Dデジタルデータに演出を加えた映像を、巨大スクリーンで上映。宝物と同じ材料・技法を用いて当時の姿を再現した「再現模造」を組み合わせた展示空間で、宝物の美に包まれ、没入するような体験が堪能できます。
また、史上初の再現展示となる織田信長らが熱望した幻の香木「蘭奢待(らんじゃたい)」の香りや、「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」など正倉院宝物の音色も、本展の魅力です。歴史的記録の向こう側にある、当時の人々の感性を追体験することができるでしょう。
※宝物実物の出陳はありませんので、お間違えのないようお願いいたします。
会期:
2025年9月20日(土)~11月9日(日)
開館時間:
10:00~17:00 ※入館は16:30まで
入場料:
一般 2,300円 など ※前売券は200円引き
会場:
上野の森美術館
住所:
〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2
TEL:
ハローダイヤル 050-5541-8600 (9:00~20:00、無休)
公式サイト:
https://shosoin-the-show.jp/tokyo/
三井記念美術館:開館20周年特別展「円山応挙―革新者から巨匠へ」

18世紀の京都で、伝統的な日本画の装飾的スタイルと、写生に基づく写実的なスタイルを融合させた円山応挙。彼は当時の鑑賞者たちに今まで体験したことのないリアリティを感じさせる画体で、瞬く間に当代随一の人気画家となりました。18世紀の日本画の「革新者」が「巨匠」となり、新しい「スタンダード」となっていくさまが、作品を通じてありありと感じられるはずです。

江戸時代・18世紀 三井記念美術館 【展示期間:9月26日~10月26日、11月11日~24日】
会期:
2025年9月26日(金)~11月24日(月・振休)
※会期中展示替えを行います。
開館時間:
10:00〜17:00 ※入館は16:30まで
休館日:
10月27日(月)
入場料:
一般 1,800円 など
会場:
三井記念美術館
住所:
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
TEL:
050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:
https://www.mitsui-museum.jp
山種美術館:【特別展】日本画聖地巡礼2025―速水御舟、東山魁夷から山口晃まで―

映画、小説、漫画やアニメなどの舞台になった場所を訪れる「聖地巡礼」。2023年に開催された、画題となった土地や、画家と縁の深い場所を「聖地」とし、その土地が描かれた作品と、現地の写真をあわせて展示する「日本画聖地巡礼」展の第2弾です。今回は、日本の「聖地」だけでなく、海外にも視野を広げ、日本画家たちの描いた海外の風景も鑑賞することができます。日本各地、さらには世界各国の「聖地」を巡る旅をお楽しみください。

1986(昭和61)年 山種美術館

1988(昭和63)年 山種美術館
会期:
2025年10月4日(土)~11月30日(日)
※~9月28日まで「江戸の人気絵師 夢の競演 宗達から写楽、広重まで」が開催中です。ご興味のある方はこちらもご確認ください。
開館時間:
10:00~17:00 ※入館は16:30まで
入場料:
一般 1,400円 など
会場:
山種美術館
住所:
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36
TEL:
050-5541-8600 (ハローダイヤル)
公式サイト:
https://www.yamatane-museum.jp
永青文庫:重要文化財「黒き猫」修理完成記念 「永青文庫 近代日本画の粋―あの猫が帰って来る!―」

永青文庫は、かつて大名・華族であった細川家の下屋敷跡に佇む美術館で、細川家に伝わる文化財を管理保存・研究し、一般に公開しています。
本展では、永青文庫の近代日本画コレクションのなかでも不動の人気を誇る、菱田春草「黒き猫」(重要文化財)の修理完成を記念し、春草のほか、横山大観、下村観山、鏑木清方といった近代日本を代表する画家たちの優品を、一堂に展覧します。

明治42年(1909) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)【後期展示】

明治42年(1909) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)【後期展示】
江戸時代の面影を残す「肥後細川庭園」が隣接しており、そちらもご一緒にお楽しみいただけます。
会期:
2025年10月4日(土)~11月30日(日)
前期:10月4日(土)~11月3日(月・祝)
後期:11月7日(金)~11月30日(日)
※前・後期で大幅な展示替えを行います
開館時間:
10:00~16:30 ※入館は16:00まで
休館日:
月曜日(ただし10/13・11/3・11/24は開館)、10/14(火)、11/4(火)、11/5(水)、11/6(木)、11/25(火)
入場料:
一般 1,000円 など
会場:
永青文庫
住所:
〒112-0015 東京都文京区目白台1-1-1
TEL:
03-3941-0850
公式サイト:
https://www.eiseibunko.com
東京藝術大学大学美術館:藝大コレクション展2025 名品リミックス!

東京藝術大学は、その前身である東京美術学校の開校前から135年以上にわたり、学生の学びに役立つものを古今東西を問わず収集するという方針のもと、作品や資料の収集を進めてきました。そのなかには、歴代の教員や学生の作品、教材なども数多く含まれており、現在では約3万件を超える充実したコレクションとなっています。

「藝大コレクション展2025」では、先人の作品に向き合い、描き写すことで深まる“学び”のかたちに光をあてます。コレクションを代表する優品とともに、模写やスケッチなど、これまで紹介される機会の少なかった作品や資料を新たな視点で紹介し、作家たちがどのように名作に学び、自らの表現を模索してきたか、その歩みにも迫ります。

会期:
2025年10月7日(火)〜11月3日(月・祝)
開館時間:
10:00〜17:00 ※最終入館 16:30
休館日:
月曜日、10月14日(火)
※ただし、10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)は開館
入場料:
一般500円 など
会場:
東京藝術大学 大学美術館 本館 展示室1
住所:
〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
連絡先:
050-5541-8600 (ハローダイヤル)
公式サイト:
https://museum.geidai.ac.jp
東京オペラシティ アートギャラリー:柚木沙弥郎 永遠のいま Yunoki Samiro: The Eternal Now

2024 年に 101 歳の生涯を閉じた染色家、柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)。型染の世界に新風を吹き込んだ柚木の作品は、自由でユーモラスな形態と美しい色彩が心地よく調和しつつ生命力にあふれ、見る人を惹きつけてやみません。柳宗悦らによる民藝運動に出会い、芹沢銈介(せりざわけいすけ)のもとで染色家としての道を歩みはじめた柚木は、挿絵やコラージュなどジャンルの垣根を超え、創作世界を豊かに広げました。
本展では 75 年にわたる活動を振り返るとともにゆかりのあった都市や地域をテーマに加え、柚木をめぐる旅へと誘います。身の回りの「もの」に対する愛着や、日々のくらしに見出した喜びから作品を紡ぎだす柚木の仕事は、変化の時代にこそ、大切に慈しみたい「いま」を私たちに示してくれます。民藝を出発点に、人生を愛し楽しんだ柚木沙弥郎の創作活動の全貌をご堪能ください。


会期:
2025年10月24日(金)~12月21日(日)
開館時間:
11:00~19:00 ※入場は 18:30 まで
休館日:
月曜日(ただし11月3日、11月24日は開館)、月曜祝休日の翌火曜日(11月4日、11月25日)
入場料:
一般 1,600円 など
※同時開催「寺田コレクションハイライト 前期|収蔵品展 085 寺田コレクションより」「project N 100 富田正宣」の入場料を含みます。
会場:
東京オペラシティ アートギャラリー(ギャラリー1、2)
住所:
〒163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL:
050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:
https://www.operacity.jp/ag
泉屋博古館東京:企画展 もてなす美―能と茶のつどい

泉屋博古館東京は住友家の美術品を保存・公開する博物館で、京都の泉屋博古館の分館として開設されました。
かつて住友家は賓客をもてなす際に、能を披露し、また茶会を開きました。本展は「もてなす美」と題し、能装束や面、茶道具などのコレクションを展示します。泉屋博古館東京は約100点を数える能装束コレクションを有しており、単に鑑賞用としてではなく、実用のために集められたものが多いため、比較的落ち着いた美しさを見せる装束も多く含まれます。そんな「実用の美」も見どころの一つです。


会期:
2025年11月22日(土)~12月21日(日)
開館時間:
11:00~18:00
※金曜日は19:00まで開館
※最終入館は閉館30分前まで
休館日:
月曜日(11/24は開館)、11月25日(火)
入場料:
一般 1,200円 など
会場:
泉屋博古館東京(東京・六本木)
住所:
〒 106-0032 東京都港区六本木1-5-1
TEL:
050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:
https://sen-oku.or.jp/tokyo
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※以下は終了した展覧会のアーカイブです。
【終了】大倉集古館:特別展 藍と紅のものがたり
近代になって合成染料が誕生する以前、人々は動植物から抽出した天然の染料によって色を手に入れていました。天然染料をつかった日本の色彩文化において欠かせないものが、植物のアイとベニバナから生まれる藍色と紅色です。手間のかかる工程による伝統的な藍染と紅花染は、それぞれ独自の文化を築き、人々を魅了してきました。本展では、ふたつの色と染料技術の歴史、そこから生まれた意匠や衣服を紹介し、その魅力を見つめなおします。
会期:
~9月23日(日)
開館時間:
10:00~17:00 ※入館は16:30まで
休館日:
毎週月曜日 ※休日の場合は翌火曜日
入場料:
一般:1,500円 など ※お着物(和装)の方は300円引きでご覧いただけます。
会場:
大倉集古館
住所:
〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-3
TEL:
03-5575-5711
公式サイト:
https://www.shukokan.org
【終了】松岡美術館:開館50周年記念 おいでよ!松岡動物園
人類は太古から、絵や像など様々な形で動物の姿を描いてきました。時に神々しく、時にかわいく、あるいは強く、はたまた恐ろしく、様々なイメージをもとに表されます。本展は、古代エジプトで神様として扱われたネコやウシなどの動物たちを象った彫刻作品から、イランや中国、日本の陶磁器、近代の日本画、ヒトを描いた西洋画まで、様々な作品をテーマごとに展示。古今東西の動物をモティーフとした作品を一挙にご覧いただけます。
会期:
~10月13日(月・祝)
開館時間:
10:00~17:00 ※入館は16:30まで
休館日:
毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
入場料:
一般 1400円 など
会場:
松岡美術館
住所:
〒108-0071 東京都港区白金台5-12-6
TEL:
03-5449-0251
公式サイト:
https://www.matsuoka-museum.jp